EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(120)

学会奨励賞-GVHD予防法-

第29回日本造血細胞移植学会総会の学会奨励賞の一部を紹介します。

結果:33例の標準リスクを対象とし、シクロズポリンの血中濃度を少し高く設定し(450-550ng/ml、CsA500群とする)短期メトトレキセ-ト併用しGVHD予防を行った。比較のため、コントロ-ル群に過去の33例(シクロズポリンの血中濃度が250-400ng/ml、CsA300群とする)を抽出して用いた。腎障害(血清クレアチニン値が1.5倍に増加、24% vs 24%))と高ビリルビン血症(≧2mg/dl、   30% vs 24%)の頻度は2群間に差を認めない。急性GVHD頻度はCsA500群が27%、CsA300群で52%と有意差がみられた。慢性GVHD頻度も47%と73%と有意差がある。無病生存率は72% vs 63%と有意差なし。



文献1.大島久美 他. 目標血中濃度を500ng/mlに設定したシクロスポリン(CsA)持続静注の安全性と有効性の検討。WS9-1、第29回日本造血細胞移植学会総会抄録集  167ペ-ジ。福岡、2007年2月16日。