EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今月のEBM,ナウ(14)

移植前から筋力低下?

{文献要約}この文献は移植前の筋力評価です。2002年1月から12月までの1年間の56例の移植施行例に移植前の筋力測定を行っています。評価項目は@肺機能、PEmax:maximal expiratory muscle strength. PImax:maximal inspiratory muscle strengthA握力B6分間歩行C2004年5月での生存。



結果は図1.に示すように、予測値よりも低下している症例が多い。移植後平均生存日数は374日。診断から移植までの平均は874日。以上の検討項目から予後推定は不可能であった。この報告は入院中といえども、PS(Performance satatus)が良い症例では積極的にリハビリを指導し、可能なら筋力トレ−ニングも必要である事を示唆している。

結論:移植後の筋力低下がよく報告されているが、実は、移植前から低下している。

文献:Alexander C. et al. Impaired respiratory and skeletal muscle strength in patients prior to hematopoietic stem cell transplantation. Chest. 2005; 128:145-152.