EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(151)

Reduced intensity SCT for PID with LPD
(リンパ増殖性疾患へのミニ移植)

  PID(原発性免疫不全症候群、http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/031.htm)に合併するLPD(lymphoproliferative disease;リンパ増殖性疾患)の予後は極めて不良です。 骨髄破壊的前処置による造血細胞移植だけが治癒を期待できる治療です。 しかし、移植関連合併症のリスクが高いことが課題です。 今回の報告は臓器障害のある8例のLPDに対してミニ移植(骨髄非破壊的前処置による移植)を安全に施行できたという報告です。 8例の追跡期間の中央値は4年(1年から7年)、完全キメリズムは8例中6例に達成。 全例生存中です。 移植後にEBVのモニタリングを行い、増加すればrituximabのpre-emptive therapy等で治療することが肝要です。

文献:1.Cohen JM et al. Successful treatment of lymphoproliferartive disease complicating primary immunodeficiency/immunodysregulatory disorders with reduced-intensity allogeneic stem-cell transplantation.   Blood. 2007;110:2209-2214.