EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(156)

RIC HSCT in NHL
(2007 アメリカ血液学会抄録引用)

 自家移植後の再発又は難治性悪性リンパ腫の予後は不良です。 従来の骨髄破壊的前処置による同種移植は移植関連死亡率が高いことが知られています。 そこで、骨髄非破壊的前処置とされるRIC(ミニ移植)による54例の長期追跡治療成績を報告します。 対象はdiffuse large B cell lymphoma 48例、anaplastic large cell lymphoma 6例です。 年齢の中央値は44歳。 移植前までの治療回数の中央値は4回。 結果:追跡期間の中央値は49ヵ月。 5年のRelapse rate(再発率)32%、NRM(非再発死亡率)34%、そしてPFS(無病生存率)は45%でした(図1)。



RIC前に化学療法への反応性がある例の5年生存率が55%、化学療法抵抗性・難治性でのそれは9%でした。

結論:自家移植後の再発時に化学療法に反応する症例はRIC施行を考慮。

コメント:移植前に化学療法への反応性があれば、RICは期待できる治療です。

文献:Thomson K al. Long-term follow-up of reduced intensity transplantation with an Alemtzuzumab-containing regimen for aggressive Non-Hodgkins lymphoma. Abstract #1661 appears in Blood; volume110,issue 11,November 16  2007.