EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(161)

Reduced intensity transplant for MDS
(MDSへのミニ移植成績)

 43名のMDS(骨髄異形成症候群)とMDSから進展した急性骨髄性白血病(AML)へのミニ移植治療成績を後方視的にまとめました。 年齢の中央値は58歳。観察期間の中央値は38ヵ月、診断から移植までの期間は兄弟間移植19例で2ヵ月、非血縁者間24例で7ヵ月。染色体解析によるハイリスク例は兄弟間で13例、非血縁者間6例。

結果:急性GVHD頻度は63%、慢性GVHD頻度は62%。2年移植関連死亡率(TRM)は35.2%、2年全生存率は53.5%、その無病生存率は51.2%。2年再発率は16.3%でした。 再発をドナ-別で比較すると、非血縁者間群での再発は7%、兄弟間でのそれは38.5%でした。 EBM160の成績では再発が主たる死亡原因ですが、この論文ではTRM%が高い事が特徴です。GVHD対策が必要と思われます。

コメント:EBM160の成績と比較すると症例数が少なく統計解析も無理だが、2年全生存率は評価できる。

文献:Nakamura R et al. Reduced-intensity conditioning for allogeneic hematopoietic stem cell transplantation with fludarabine and melphalan is associated with durable disease control in myelodysplastic syndrome. Bone Marrow Transplant 2007;40:843-850.