EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(180)

RIC allo-SCT for relapsed myeloma
(再発後の多発性骨髄腫へのミニ移植)

 再発・難治性多発性骨髄腫(MM)へのミニ移植の報告。
 2002年から2004年までに、単一施設における連続して治療したMM症例の後方視的解析です。
 32例の年齢(range, 37~65歳)中央値は54歳、
 すべて自家移植後の再発例です。
 19名はHLA一致のドナ-がいて(’donor’グル-プ)、
 13名はドナ-がいません(’no donor’グル-プ)。
 ’donor’ グル-プは1名を除く18名がミニ移植を受け、
 ’no donor’グル-プ13名はThalidomideやBortezomibなどのsalvage治療を受けています。
下図にドナ-の有無による生存率比較を示します。



なお、多変量解析にて、無病生存への因子を探ったところ、ドナ-が存在し、ミニ移植を受けた事がもっとも強い因子となりました。

コメント:今後の前方視的研究に期待が持てます。

文献:Lavallade H et al. Reduced-intensity conditioning allogeneic SCT as salvage treatment for relapsed multiple myeloma. Bone Marrow Transplant 2008;41: 41:953-960.online publication.