EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(183)

HLA-mismatch HSCT from child to parent for ATL
(子供をドナ-とした成人T細胞白血病へのRIST)

 7例の化学療法難治性の成人T細胞白血病(ATL)に対してRIST(ミニ移植)を施行。
  年齢の中央値は59歳。
  ドナ-のそれは29歳。
  全例が息子で好中球の生着は中央値15日。
  観察期間の中央値は251日です。
 7例中、
  4例が死亡。
   死因は
     2例が再発、
     1例が敗血症
     そして1例はTAM(Thrombotic microangiopathy)。
     6例が再発し
      4例にDLIを(donor lymphocyte infusion)施行。
   生存の3例中2例は移植後130日、419日で完全寛解です。
  1年無病生存率は28.6%。

コメント:ATLは高齢患者が多く、RISTが適応である.血縁兄弟ドナ-が高齢で幹細胞の提供が出来ないなどの諸問題点を解決した点に注目したい。

文献:Fujiwara H et al. Allogeneic stem cell transplantation for refractory adult T-cell leukemia using a non-T-cell-depleted HLA-incompatible family donor graft, with reference to the grown-up child donor to parent recipient setting: report of a pilot study. Int J Hematol 2008, advanced online publication