EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(192)

GVHD prevention in aplastic anemia
(GVHD予防法の比較)

2種類のGVHD(移植片対宿主病)予防法を比較しました。
 対象は24例の再生不良性貧血(AA)。
 10例はalemtuzumab(CD52抗体)を用いた群、
 14例は従来のcyclosporineまたはtacrolimusとMTXとの併用群です。

50歳以上の高齢者がCD52抗体群で7例、併用群に3例。
 結果:有意差を認めたのは
  ①サイトメガロウイルス(CMV)再活性化の頻度
  ②急性および慢性GVHD頻度(下図)です。
 CMVの再活性化の中央値は移植後35日目です。
 GVHDによる死亡例がMTX併用群では3例ですが、
 CD52抗体群では1例もありません。
生着不全はMTX併用群に2例、
       CD52抗体群は1例。

結論:少数例のため生存率での有意差は認めません。



コメント: CD52抗体群は再生不良性貧血に対するGVHD予防法として期待できます。EBウイルス陽性リンパ増殖症のリスクはありますが、GVHD合併率は有意に低い報告。

文献:Siegal D et al. Graft-versus-host disease following marrow transplantation for aplastic anemia: different impact of two GVHD prevention strategies. Bone Marrow Transplant  2008;advance online publication