EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(205)

-RIC HCT in older patients-
(55歳以上へのミニ移植)

 2000年から2005年の間に移植適応のある55歳以上70歳未満の症例で、血縁HLA一致ドナ-がいない場合のさい帯血ミニ移植の有効性を検討しました。 検討項目は無病生存率(PFS)、移植関連死亡率(TRM)等です。血縁HLA一致ドナ-(MRD)のいる47例とHLA一致ドナ-がいなくてさい帯血(UCB)を選択した43例の2群間比較です。 すべてミニ移植施行。 年齢の中央値はMRD群58歳とUCB群59歳。 下図のように2群間に3年PFS・6ヵ月TRMでは差異を認めず、さい帯血を用いた移植成績は血縁者間と同等でした。慢性GVHD頻度は有意差を認めました(P=0.02)。



コメント:移植時の病期が2群ともに進行期例が約80%であるため、PFSが30から34%と低いのが悔やまれます。今後、寛解期移植例が多くなれば治療成績が向上すると思われます。

文献1:Majhail NS et al.  Reduced-intensity allogeneic transplant in patients older than 55 years: unrelated umbilical cord blood is safe and effective for patients without a matched related donor.  Biol Blood Marrow Transplant. 2008;14:282-289.