EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(224)

-Imatinib versus BMT for CML in chronic phase-
(CML慢性期に移植したら?)

 慢性骨髄性白血病(CML)に対して第一選択となったimatinib(イマチニブ)と骨髄移植(BMT)との比較です。 2001年から2006年まで、60歳以下の264名の慢性期CMLを後方視的に観察しました。 全例、第一選択薬としてインタ-フェロンを投与されました。174例はインタ-フェロン治療失敗後に次のの治療選択肢としてイマチニブ投与、同時期に90例はHLA一致の兄弟または非血縁ドナ-から同種BMTを施行。 下表のように生存率(EFS;event free survivalと OS; overall survival)で有意差を認めました。この報告では対象症例のリスク分類(Sokal scoreなど)が示されていないため、症例の同等性が確認できていないこと。 同様に新規移植方法としてミニ移植との比較がされていないことが今後の課題です。 結論:骨髄移植はCML慢性期の第一選択肢ではない。



コメント:骨髄移植はCML進行期以後に必要とされる可能性が高い。

文献:Bittencourt H et al. Imtinib mesylate versus allogeneic BMT for patients with chronic myeloid leukemia in first chronic phase.  Bone Marrow Transplant 2008; 42:597-600.