 EBM (Evidence based medicine：:単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。 |
| 今週のEBM,ナウ(233) －Chronic GVHD following CBT－ （さい帯血移植後の慢性ＧＶＨＤ） 日本からの短報です。 対象は１０７２例のさい帯血移植例。 すべて、日本さい帯血バンクネットワ－クを介した移植例です。 年齢の中央値は３３歳、（年齢幅は０－７９歳）。 ⅡからⅣ度の急性GVHD頻度は４６％。 ２年での慢性ＧＶＨＤ累積頻度は２８％です。多変量解析によると慢性ＧＶＨＤの合併があると生存率良好でした。 また、慢性ＧＶＨＤ合併危険因子として、 ①患者の体重多め ②ＨＬＡ抗原不一致度多い ③骨髄破壊的前処置による移植 ④ＧＶＨＤ予防にmycophenolate mofetil使用例 ⑤急性ＧＶＨＤ（Ⅱ－Ⅳ）合併例でした。 図は慢性GVHDの臓器別一覧です。  結論：慢性ＧＶＨＤ頻度は既報の骨髄移植や末梢血幹細胞移植よりも低く、かつ、慢性ＧＶＨＤによるgraft－versus－malignancy効果が確認できた。 コメント：日本からの貴重な多数例の解析です。 文献：Narimatsu H et al. Chronic graft-versus-host disease following umbilical cord blood transplantation:retrospective survey involving 1072 patients in Japan. Blood 2008; 112: 2579-2582. |