EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(271)

-Stem cell transplantation for CBF AML-
(移植時期と生存率)

 急性骨髄性白血病に対する自家または同種移植の報告。
 染色体リスク分類に従い
 1.AML t(8;21)255例
 2.inv(16)83例
 3.intermediate risk889例
 4.unfavorable risk360例
 5.unknown205例
の5群に分け生存率を解析した。 

 結果:全体の3年生存率は48%、下表にCBFとされる2群;t(8;21)、inv(16)の生存率だけを示す。 移植時期で同種、自家移植の生存率比較すると差は認めない。 多変量解析による予後不良因子は①高齢、②非寛解期移植。



結論:急性骨髄性白血病 t(8;21)では初回寛解期に移植すると良好な生存率、しかしinv(16)では第2寛解期以後でも生存率は良好。 したがって、おなじCBF AMLでも両者は移植の治療方針が異なる。

コメント:高齢ではミニ移植が今後の検討課題。

文献:Kuwatsuka Y et al. Hematopoietic stem cell transplantation for core binding factor acute myeloid leukemia: t(8;21) and inv(16) represent different clinical outcomes. Blood. 2009;113:2096-2103.