EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(317)

-Allogeneic transplantation in Hodgkin lymphoma-
(自家移植再発後のホジキン病へのミニ移植)

ドナーの有無による移植治療法の検討。 観察期間中央値が48か月。

対象:1999年から2008年までにホジキン病に対して自家移植を受けその後再発した185例。 年齢の中央値は35歳。

方法:66%(122例)に移植ドナーが見つかり、ミニ移植を受けた。 ドナーの見つからなかった34%は従来の治療を受けた。 再発時期は72%が自家移植後1年以内。

結果:下図に示すようにミニ移植を受けた群の生存率が有意に良好。



考察:多変量解析によるとドナーがいてミニ移植を受けた事が予後良好因子。

コメント:ドナーは55%が血縁兄弟、32%が非血縁そして13%がHLA半合致。 HLA半合致移植が普及し、移植の可能性がますます増加傾向にあることは喜ばしい。

Sarina B et al. Allogeneic transplantation improves the overall and progression-free survival of Hodgkin lymphoma patients relapsing after autologous transplantation: a retrospective study based on the time of HLA typing and donor availability.  Blood.2010; 115:3671-3677.