EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(322)

-ECP in patients with BO-
(体外紫外線照射)

目 的:体外紫外線照射の閉塞性細気管支炎(BO)に対する有効性の検討(文献1)。

対 象:造血細胞移植後にBOを合併した9例。
     年齢の中央値は38歳。
     移植後中央値17ヶ月目にBO合併。
     全例において平均で5種類の治療薬剤を用いた治療歴があり難治性であった。

方 法:ECPは毎週2回、3~4週間継続し、その後は2~3週に一度、そして4週に一度とする(文献2)。

結 果:6例が中央値25日で肺機能に改善を認めた。 無効とした残りの3例中2例は肺機能の改善はなかったが症状は軽減した。

考察:ECP関連の合併症はない。今後は大規模試験が必要。

コメント:難治性BOに対して期待できる報告。

文献1.Lucid CE et al. Extracorporeal photopheresis in patients with refractory bronchiolitis obliterans developing after allo-SCT. Bone Marrow Transplantation advance online publication, 28 June 2010; doi:10.1038/bmt.2010

文献2.Jagasia MH et al. Classic and overlap chronic graft-versus-host disease is associated with superior outcome after ECP. Biol Blood Marrow Transplant 2009;15:1288-1295