EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今月のEBM,ナウ(43)

MGUSの有病率

MGUS(本態性M蛋白血症または単クロ−ン性ガンマグロブリン血症;monoclonal gammopathy of undetermined significance)とはM蛋白量が3g/dL以下で、骨髄の形質細胞が10%以下。前がん状態とも考えられていますが、無症状で何十年と過ごす人も多い事が知られています。この報告はミネソタ州からの有病率報告です。地域住民の50歳以上、21463人から694人がMGUSと診断されました(有病率3.2%)。男性が4%で女性は2.7%です(p<0.001)。有意差があります。図に示すように高齢化に伴い有病率が上昇します。免疫グロブリンはIgGタイプが約2/3です。その値は1g/dL未満が63.5%、2g/dL以上は4.5%です。この研究成果は将来の疾患予防に役立つと期待されています。



コメント:MGUS症例は毎年1%以下の頻度で悪性疾患への移行が知られている。その追跡のためにも定期的な観察が必要である。

文献 Kyle RA et al. Prevalence of monoclonal gammopathy of undetermined significance. N Engl J Med 2006; 354: 1362-9.