EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(56)

難治性乳がんへの自家移植

  
難治性乳がん(術前の化学療法無効例)治療法として自家末梢血幹細胞移植の報告。1997年から2002年に60歳以下、年齢の中央値は46歳で、42例の難治性乳がん女性に対して自家移植を施行。29例は移植前に手術を受けた。移植後60日の評価では30例の完全寛解、8例に部分寛解、1例はminor responseそして3例は病状進行。特記すべきは自家移植前に手術困難の13例中、7例は移植後に手術が可能となった事。追跡中央値42ヵ月現在で21例が生存、15例は病状の悪化なし。5年無病状進行生存率(PFS)40%。下図に示すように、同施設の過去の成績として、移植施行してない群の10年無病生存率(DFS)25%



結論:有効性確認のためにはrandomized studyが必要。

コメント:予後不良群としては評価できる成績と考えられる。

文献Ueno NT et al. High-dose chemotherapy and autologous peripheral blood stem cell transplantation for primary breast cancer refractory to neoadjuvant chemotherapy. Bone Marrow Transplant 2006; 37: 929-935.