EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(61)

イマチニブ治療と医師の判断

 慢性骨髄性白血病に対するイマチニブ治療への医師の判断に及ぼす影響を検討した。デ-タはwebやメ-ルによる1100名の血液・腫瘍専門医から収集。回答率は29%で、305名から得られた。方法:新規治療法としてイマチニブ内服、従来の治療法として同種造血細胞移植を位置づけた。この比較試験は現実的には実施しづらい性質である。結果:240の解析可能なデ-タから、94.6%がイマチニブを処方した。統計解析で明らかになったことはイマチニブの有効性、同僚からの影響そして過去のイマチニブ投与の経験などがイマチニブ投与へ前向きに関与。移植専門医であることはイマチニブ投与に前向きではなかった。

コメント:いつでも、どの領域でも、新規治療法を選択する時は、患者にとっては、医師のアドバイスが大きな要素である。したがって、医師は常に、科学的で均質な情報を保有しそれぞれの専門領域に傾斜しすぎることなく、日常診療に邁進する必要がある。

文献:Lyer S et al.  Factors influencing physician recommendation for imatinib in chronic phase chronic myeloid leukemia.  Drug information Journal 2006; 40:141-153.