EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(64)

イマチニブ登場で移植統計に変化

 EBM57に呈示したように、イマチニブ内服にて慢性骨髄性白血病(CML)は特徴的な病態である染色体異常が正常化し、治癒と考えられる例が82%にみられます。そのため、これまでCMLにとって唯一治癒する治療法と考えられていた造血細胞移植はCMLに対して、もはや、第一選択ではなくなりました。2004年までの国内の移植統計からそれを検証してみましょう。図に過去10年間の統計を示します。2000年に年間300例近くあったCML移植例が2004年には100例程度に減少しました。その一方で、多発性骨髄腫や骨髄異形成症候群はイマチニブのような分子標的薬がないため、またミニ移植の登場により高齢でも移植可能となり、移植適応例が増加傾向です。



コメント:上記の血液がんは高齢者に多い。

高齢者も安心して受けられるような安全で有効な造血細胞移植法の確立が望まれる。


文献 日本造血細胞移植学会 平成17年度全国調査報告書 2006年2月刊行 48ペ-ジ、表7.移植年疾患別移植件数