EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(85)

移植と感染症


 欧州骨髄移植グル-プ12カ国の後方視的研究。Invasive aspergillosis (IA)の既往がある129例が造血細胞移植を受けた。57例はReduced-intensity conditioning: RICによる移植を受け、72例は骨髄破壊的前処置(CONV)による移植を受けた。移植後IAへの進行は129例中27例で、2年累積発病頻度が22%。その発病に寄与する危険因子を6項目規定し、3群に分けてIAへの進行を予測した。その結果、図に示す様に3群間でのIA発病推定が可能となった。
6つの危険因子とは以下。
 ①好中球回復が移植後21日以上。
 ②基礎疾患が進行期。
 ③IAへの治療開始と移植との期間が6週間以内。
 ④CMV病合併。
 ⑤移植細胞がさい帯血または骨髄。
 ⑥急性GVHD2度から4度の合併あり。




コメント:IAを有する移植例で危険因子による発病予測の有用性が証明された

文献:Martino R et al.  Impact of the intensity of the pretransplantation conditioning regimen in patients with prior invasive aspergillosis undergoing allogeneic hematopoietic stem cell transplantation: a retrospective survey of the infectious diseases working party of the European group for blood and marrow transplantation. Blood. 2006; 408: 2928-2936.